前立腺とは、どんな器官?
前立腺は精液の一部を作る、男性だけが持つ臓器です。前立腺は膀胱の下にあり、尿道を取り囲んでいます。また、一部が直腸に接しているため、直腸の壁越しに指で触れることができます。大きさはちょうど栗の実くらいで、形も栗によく似ています。
前立腺はみかんのような層構造をしていて、尿道まわりの内線(みかんの実にあたる部分)と被膜付近の外線(みかんの皮にあたる部分)に分けられます。最近では辺緑領域、中心領域、移行領域の大きく3つのゾーンに分けられることもあり、辺緑領域は従来の外線、中心領域と移行領域は内線にあたると考えられています。
前立腺の働きについては、まだわからないことが多くあります。わかっている働きは、前立腺液を分泌することです。前立腺液は、精液の一部となり、精子を保護したり、精子に栄養を与えるとともに、その運動機能を助ける役割を果たしています。
前立腺の主な病気
「夜中にトイレに行く回数が増えた」「トイレに行った後もすっきりしない」「おしっこに勢いがない」などといった、排尿に関する悩み。特に中高年の男性の間でよく話題に上る悩みではないでしょうか。これらの症状は「前立腺」に関係しているものがあります。
排尿の悩みを、「年のせいだからしょうがない」と侮ってはいけません。このような排尿異常の原因には、前立腺の病気が潜んでいる場合があります。
前立腺肥大症
前立腺肥大症は、前立腺の病気のなかでももっとも多くみられる病気です。
前立腺肥大症とはいわゆる臨床的な概念で、良性前立腺腫大に膀胱下(尿道)閉塞、下部尿路症状が絡み合った複合的な臨床像と定義されています。すなわち、良性前立腺腫大は内線(尿道を取り囲む部分:移行領域)で発生するため、尿道が圧迫され狭くなる(尿道閉塞)ことで、尿がでにくい、トイレの回数が多くなる、尿をしたあとすっきりしない、などの自覚症状(下部尿路症状)があらわれます。排尿に関連する症状があらわれるようになると日常生活に支障をきたすこともあるため、適切な治療が必要になります。しかし、なかには前立腺腫大があっても症状がみられない人もいます。一方、前立腺がんは、主に外線(尿道から離れた部分:辺緑領域)に発生するため、初期では自覚症状はあらわれません。がんが進行し、尿道や膀胱を圧迫するようになると、排尿時の症状や血尿などがあらわれるようになります。また、良性前立腺腫大は前立腺がんに進むことはないと考えられています。
前立腺ガン
前立腺がんは、前立腺肥大症とともに、中高年の男性において注意すべき前立腺の病気のひとつです。
前立腺がんの発生には男性ホルモンが関与しており、加齢によるホルモンバランスの変化が影響しているものと考えられています。
前立腺がんは主に外線(辺緑領域)に発生します。ほかの臓器のがんとは異なり、ゆっくりと進行するため、早期に発見できれば、ほかのがんと比べて治りやすいがんであると言えます。しかし、初期には自覚症状がほとんどないため、発見が遅れることがあります。進行すると最終的には骨や他の臓器にまで転移することがあるため、早期に発見し、適切な治療を行うことが大切になります。
正しい食生活と生活習慣で予防
■ 前立腺がんの予防に良いとされる食べ物
前立腺がんは動物性の高脂肪・高コレステロールの食事をとり続けることで、発症しやすくなると考えられています。
逆に、野菜や魚、穀類を中心とした昔ながらの日本の食事は、予防効果があると言われています。
とくに、豆腐や味噌、醤油など、日本食には欠かせない大豆に含まれるイソフラボンは、さまざまながんに対する予防効果が期待されていますが、女性ホルモンに似た働きもあるため、前立腺がんに対する効果に優れているようです。
他には、ビタミンAを多く含むニンジンなどの緑黄色野菜、抗酸化作用の高いリコピンを含むトマトなども良いと言われています。
■ 前立腺疾患予防に良い生活習慣
規則正しい生活を心がけましょう。
適度な運動・・・・免疫力を高め、血行を良くします。
運動不足は前立腺が充血し、肥大傾向になります。
■ タバコは吸わない
抗酸化作用を低下させる作用があります。
■ お酒は適度に
アルコールは前立腺を充血させます。
これらは、前立腺疾患に限らず、すべてのガン、病気予防に効果的な生活習慣だといえます。健康的な生活習慣を取り入れていきましょう!
健康生活情報
ウォーキングで健康増進!
血行は健康の要です。
筋肉を使えば血管もほどよくマッサージされます。身体の各所で必要とされる栄養分や酵素は血液が運んでいます。血液の流れがスムーズになることで全身に新鮮な栄養が行き渡ります。
生活の中にウォーキングを摂り入れてみてはいかがでしょう。
正しいフォームでウォーキング
・視線はまっすぐに
・堂々と胸を張る
・お腹は引っ込める
・足の膝は曲げ過ぎない
・足のつま先は進行方向にまっすぐに向ける
・顔が下を向かないように
・背筋をピンとのばす
・お尻の筋肉を引き締める
・かかとから着地する
参考資料 三愛製薬(株) 健康情報誌(すこやか)号より

